崇高クリニック SUKO Clinic

カロリーについての誤解

 『カロリー』という言葉は、いたるとことで耳にする言葉ですが、この言葉の意味する所については、漠然としか理解出来ていない人が多いのではないでしょうか。

 よく"石油ストーブ"や"エアコン"を購入する際、何キロカロリー/時と表示されていますよね。これは、灯油や電気を使って作られる「熱」の量を意味しています。さらに云えば、熱を作り出す為の"灯油"や"電気"の量でもあるのです。

 私達の身体で云えば、"石油ストーブ"や"エアコン"の熱は体温に相当します。体温を常に36℃~37℃に保っておく為には相当の『カロリー』が必要です。この『カロリー』を得る為にも、私達は毎日食事をしなければならないのです。ただ、"灯油"や"電気"ならば、自由に調節出来ます。ただ、私達の身体には、調節の目安となる"メーター"が無いので大変難しいでしょう。

 私達の食べ物の中で、"灯油"や"電気"の様な所謂「燃料」となる物は色々有りますが、なかでも一番"燃料"になり易い物は、所謂「糖質」=「でんぷん」=「炭水化物」です。私達の身体には、メーターもなく、また必要な「燃料」の量も時々刻々変化しています。従って、『カロリー』を計算して"燃料"="食べ物"を取る事は、殆ど無意味な事なのです。そのうえ、「穀物類」などのいわゆる“栄養”は、「燃料」以外何の役目も果たすことは出来ないのです。

 それに反して、『たんぱく質』は主として、身体の色々な組織(脳・心臓・肝臓・血液・等)を構成するのに利用されたり、生理的機能(諸種の酵素、ホルモンなど)を調整したりする働きを持ち、もし「炭水化物」からの「燃料」補給――低炭水化物食――が途絶えれば"燃料"にもなります。その他、『脂質』=『植物油』もいざとなれば「燃料」としても利用されます。『脂質』や『ミネラル』は『蛋白質』と共同して、身体の組織を 構成する栄養素として利用され、『ビタミン』・『ミネラル』は『化学反応=代謝活動』を助けて生理的機能を調節するように働きます。

 『炭水化物』は"燃料"=『カロリー』以外に利用価値がなく、しかも使われずに余れば「体脂肪」として貯められるだけです。私たちが自分自身で、身体を"温めたり""冷やしたり"する必要性が殆どない現代文明が発達した現代―――"クーラー"・"ヒーター"が発達している―――では、どうしても「燃料」=「炭水化物」は余り気味なります。

(注) 最近(2006年6月27日)になってアメリカABCニュースが、アラバマ大学臨床栄養研究センターのデービッド・アリソン所長の論文を掲載しましたが、その中で私が早くより提唱していた様に、”エアコン”が肥満の大きな原因であるという論文を発表しています。

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